idea factory from newspaper 2003 10 13

寿命(length of life)
 人間に寿命があるように、企業にも寿命があります。
早ければ、30年で終わる企業もあります。
平均的には、50年でしょうか。
長い企業で、100年かもしれない。
 正確な産業を忘れましたので、
間違っていたら、大変申し訳ありませんが、
私が、小学校の時に、こんな質問を、父親にしました。
「なぜ、石炭産業の役員には、一流大学出身の人が多いのか。
石炭産業は、斜陽化しているのに。」
「いや、石炭産業が、時代の花形産業だった時代があったのだ。」
 そのころから、企業の寿命について、考えるようになりました。
今、大企業と言われている企業は、「第二の創業」ができない限り、
やがて、寿命は、つきます。
大企業と言われている企業は、人間で言えば、壮年期にあたります。
 今、日本を代表する企業は、自動車産業でしょうか。
日本の自動車メーカーは、今後、世界トップの地位を占める可能性があります。
しかし、今のままでは、自動車メーカーは、21世紀を生き残れるか、あやしい。
 火が消える時、消える直前に、火は大きく輝くのです。
世界のトップに立った時が、その時です。
 自動車が、ガソリンを使わなくなった時に、自動車メーカーの時代は終わる。
だからこそ、自動車メーカーは、世界のトップになれる時代であると共に、
存亡の危機を迎えている。
自動車メーカーが、「第二の創業」ができるか。
私は、それに期待しています。

アラブの行方(Arabdom in future)
 今、アラブという、中東地方の未来が、見えなくなっているかもしれない。
中東地方は、積乱雲に突入した飛行機かもしれない。
アラブ統一。
アラブ共和国。
混沌としているアラブからは、想像もできないでしょうが、
未来に、そうなる可能性があります。
 アラブ社会は、なぜ、遅れてしまったのか。
そういう論調が、欧米諸国では多いですが、
これは、歴史を、ここ500年程度の、近眼的な目で、見ているからです。
 歴史は、2500年を、1単位として見ていかないと、近眼的になります。
西洋ならば、2000年でしょうか。
2500年もしくは2000年が、歴史のひとコマです。
 文明の寿命は、2500年もしくは2000年です。
今が、文明が尽きる時であり、文明が始まる時でもあります。
 そういう時代認識ができなければ、
社会が進んでいるとか、遅れているとか、語る資格はありません。
 「アラブ統一」が完成した時は、どうなるか。
それは、西洋に、終わりを告げる時です。
 そうならないためにも、忘れてはならないことがあります。
「信仰は試される。」
キリスト教徒ならば、一度は聞いたことがあるでしょう。
キリスト教徒ならば、これを、忘れてはならない。
火が消える時、消える直前に、火は大きく輝くのです。
 日本、東南アジア、アラブ。
これが、21世紀を読み解くキーワードになります。

創造力(creative ability)
 創造力は、基礎があってこそ、
創造力が発揮できる。
基礎なくして、創造力はありません。
 ピカソは、独創的な絵で、有名ですが、
ピカソは、基礎的なデッサンも優れていたことを忘れてはいけない。
 教育が、いろいろと議論になっています。
参考になるか、わかりませんが、
私は、小学校時代に、百科事典を、全部読みました。
中学校時代、高校時代、大学時代、
やはり、同じことをしました。
 すべては、基礎から始まる。
独創は、基礎を土台として、始まる。
 この世に、天才はいません。
あえて言えば、努力できることが天才だった。
 凡人は、努力できません。
1週間も、努力が続きません。
5年も、10年も、努力が続けられれば、それは天才と言えるかもしれない。
努力できるということは、才能なのです。
 それから、時間も大切です。
「1日は、24枚の金貨で、できています。」
「失った土地は回復できるが、失った時間は回復できない。」